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2004年12月13日

◇プリプリの数の子!

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  店長の のぶチャンが見聞きした、料理屋さんの日々の動き、
   それに伴う、私達の悩み、思いを綴るメールマガジンです。
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プリプリの数の子!「おいしい店★気まぐれ日報」2004.12.13発行

いつもご愛読いただき、有難うございます。

大河ドラマにもなった前田利家を祭った金沢の尾山神社では、

今年も趣のあるライトアップがおこなわれている事を知っていますか。


全国の99%以上を生産する金箔を利用した金屏風で、非日常的で
幻想的な「泉鏡花的世界」を作り出しています。


    金箔の秘密  http://www.oishi-mise.com/kami.htm

去年も同じ試みがなされ好評だったため、10日から参道に金屏風(びょうぶ)を
イメージしたオブジェが飾られ、日没から明け方までライトアップされ、
尾山神社神門の五彩のギヤマンと調和して幻想的なムードを漂わせ、
城下町の夜を彩っています。

来年の1月中旬まで実施しているそうですので、
冬の味覚と同時に金沢の世界を訪れてみてください。

ちなみに、利家より有名になった「まつ」を祭った神社が
金沢にないのは保守的な土地柄のせいでしようかネ~。 (・・?

                      by : 店長・のぶチャン

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■ 子孫繁栄の縁起物   数の子

    ★ 年神に供える、三種肴
    ★ 30年前の市場の一コマ
    ★ 味付けレシピ と プロのこつ
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12月の半ばに入り、各料亭ではそろそろお節の準備に取りかかっています。

おせちとは、年に一度のハレの日のご馳走です。


いつでも贅沢できるようになった現在でも、

その「ハレの日」という意識はおせち料理に、
昔は貴重品で手に入りにくかった砂糖をふんだんに使った料理として残っています。


     え(゜○゜)!  ワカリマセンか?


     玉子巻、伊達巻、栗きんとん・・・・・


 決して日持ちをさせるためだけに甘くしたのではなく、

     「甘さ、イコール、贅沢」だった時代の名残です。


昭和に入っても、家庭の母親は、砂糖つぼの中の砂糖に字を指で書いて、
子供が盗み酒ならぬ、盗み砂糖をしないよう気を配ったらしい????

    (テレビのドキュメンタリーでやっていました)

ので、その貴重品さが理解できます。

    ★ 年神に供える、三種肴


そうしたハレの日のご馳走の中に、三つ肴といわれる祝いの肴があります。

江戸時代には農業に関連した祝い肴がお節料理の筆頭とされ、
三種類あるので三つ肴、あるいは三種肴といいました。


江戸では、言葉の縁起によって選ばれた、
黒豆・数の子・ごまめ(田作り)の三種が組み合わせられ、京都では黒豆と同じように
黒々と達者に働くという意味で牛蒡も使われたようです。


この三つ肴、お節料理の基本だけあって、江戸時代にはどんな長屋のおせち料理にも
入っていて、餅と三つ肴さえあれば、貧しくとも正月は過ごせたそうです。


 現代でこそ数の子は高級食材ですが、昔は安い食材の代表だったのです。


そして、暮れのうちに作ったおせち料理は重箱につめ、床の間などに置き年神さまに
お供えをし、あけて元旦を迎えると、下げて神様とともに口にする

     「直来(なおらい)」

を行い、食を通じて神と一体化するという意味があるそうです。


蛇足ながら、おせちを食べる時に使う箸も祝い用の柳箸がふさわしく、
重箱の詰め方や入れる料理はさまざまですが、
本来は三つ肴は同じ重箱に入れるのが基本です。


黒豆の話は前回お話しましたが、今回は、ニシンが数の子を産むように
多産の子孫繁栄の縁起物としての「数の子」についてのエピソードです。

    ★ 30年前の市場の一コマ


さあ~、奥さん、数の子やど~ 縁起もんだよ! 買ってちょうだいネ


     あら、まだお正月には早いワヨ~


奥さん、何言ってんの、縁起もんは、早いほどご利益が大きいヨ

いゃ~、ホントだって。

じゃネ~ 奥さん、

数の子はニシンの子なのに何故、数の子っていうか知っている?


     ( ̄◇ ̄;)エッ 数の子は子孫繁栄の縁起もので・・・・・

(今なら数の子はニシンの子だったんだ! なんて言うかも)


知らないでしょ。 ((( ̄へ ̄井) エヘン

アイヌ語でにしんをカドて言うのよ、だから、カドの子だから、

カドの子、数の子って言うのよ。知らなかったでしょう。

アララ、奥さん笑っていないで、これホントヨ。

昔から言うでしょ、「笑うカドには福来る」って、

さあ、今買わないと福が逃げちゃうヨ。

      「じゃ、私に1つチョウダイ」
      
      「あの奥さんが1つなら、私には2つネ」

        ♪ ゝ(▽`*ゝ) (ノ*´▽)ノ、 ♪


さあ、押さないで、押さないで。招福の数の子だよ~。

皆さんに福がきますように。

みんな買ってネ~。

これが、チョッとへそが曲がったお客さんだったら、


       なに言ってやんで~。(突然、江戸弁) 

       お前見たいやつを

      「カドはカドでも、豆腐のカドで頭ぶつけて死んでしまえ」

        っていうんだ。  (〃^∇^)o_彡☆あははははっ

       アンちゃん、一個だけだゾ~。 

       それ、それ、そっちの方をくれ。 その大きいのだ!!

その日の献立やちょっとした料理のコツ、店の人から聞くうんちく、

そしてお店とお客の掛け合いが楽しくて、多数の人が市場を訪れていました。


今はそんな風情はなくなりました。(ただし、近江町には僅かに生息中)

ライトにより色のよく見えるショーケースに並んだ物を無言でカゴに入れるだけ。

お客様の求めるものは価格だけになり、品質も求めなくなってきました。


    レジでチ~ン だけです。(レンジじゃないです、レジです)


必然的に売る方も買う方も、商品の知識は必要なく、
日常生鮮品の購入にもあった買い物の楽しさもなくなりました。


昔なら、誰も、まがいものに騙されませんでした。

それは売る方はもちろんの事、買う方にもっと知識があったから。

親から子へ、子から孫へ、買い手から売り手へ、

知識が伝承されていっていました。

お客が店を育て、店がお客を育てていました。

今その善のサイクルが切れ、まがいものが巷に充満しています。

まがい物を売る人が一番悪いのは間違いありません。
でもそんな風潮になったのは私たちにも責任がないとはいえないのではないでしょうか。

   (反省)


       数の子を 二箸三箸 祝ひけり


お正月は、歯ごたえの良い、いい数の子で迎えたいものです。


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   ★【 大人の酒肴 】■ 歯応えがグ~! 皮むき数の子   
    ▼ なぜお正月に数の子を食べるのか? 
      なぜお正月の定番として江戸時代に選ばれたのか?

  それは暴れん坊将軍「松平 健・吉宗」の政治的配慮、策謀だった??

        http://www.oishi-mise.com/kazunoko.htm

       ★ 味付けレシピ と プロのこつ

昔の数の子は干してあり、米のとぎ汁に一週間ほどつけて戻し、出汁しょうゆを
漬けて味をつけ、鰹節をかけて食べたそうです。

いまそのような事をしている料理屋は皆無ですし、いまだに私は食べた事があり
ませんが、うちの亡くなった先代の時分にはポピュラーな仕事だったそうです。


   「干し数の子」って、なに?? 
   
         そんな人ばかりになりました。


そういえば、5年位前には、数の子の塩を抜きすぎて10キロ近くダメにした若
い調理人さんもいました。 調理長さんは泣いてたでしょう。


     そんな事も知らないのか って。 ゜゜(>ヘ<)゜ ゜


本人は丁寧な仕事のつもりで、数の子のすべての塩を抜いたのでしようが!!

     数の子に塩が残ってなければ、ボサボサになります。


そのまま、合わせ地にでも浸ければ、合わせ地に塩分があるので、食べれなくは
なかったのでしょうけど、

西京漬(白味噌に漬けて味を深くする料理法)にしたため、


     ますます、塩分が抜けて

     触れば、ポロポロと崩れて・・・・・
 
     歯ごたえも何もなく・・・・・・

     美味しいかどうかの以前の問題で・・・・


急きょ、味噌に漬け直した、そんな 数の子事件 もありました。


ちなみに、一番最初に疑われたのは、私でした。


    質の悪い数の子を納品したやろ!!! 

         「いゃ、自分は1番良いもの納品しました」

    これが1番よい物なんか?

         「いゃ、これはダメですけど」

    じゃ、犯人は、お前だ!!!

          (゜゜;)エエッ

         「多分、水が入ったか、塩の抜きすぎじゃ・・」

    プロがそんな事するか!! 見くびるな!

          (゜-゜*;)オロオロ(;*゜-゜)

  その時、後ろから声が

    親方(調理長)、スイマセン。実は・・・・・
         


  マァ、過去の笑い話ですワ。 (o^-^o) ウフッ
  


       ◆ 数の子の合わせ地の割合

         ・水        2.5
         ・酒        2.5
         ・みりん      1
         ・薄口醤油     1

             仮浸け、本浸けとも同じ
   
1、塩漬けの数の子を半日ほど米のとぎ汁に浸ける

      * ひと塩のこすくらいが理想!!!

2、皮があれば、丁寧にむき、端の方を食べて塩加減をみる

      * 当店の 数の子は皮むき です。

3、清潔なタオルで水分をふき取る

      * 水分が残っていると腐敗の原因になる

4、料理屋のおせちの場合は、酒に半日程度漬ける

      * 水分の酒を入れ替えて日持ちさせるため

5、上記の合わせ地を合わせ、一割ほど煮詰める!!!

6、火を止めてから、適量のカツオ節を鍋に入れる!!!

7、完全に冷めてから、こして浸け地とする!!!

8、酒から引き上げた数の子の水分をよく切り、浸け地に浸ける

9、7の状態で一日おき、引き上げ、新しい浸け地に浸け二度浸けとする


   美味しい、プリプリの数の子をあ召し上がりください d(^-^)ネ!
   
   
   
        ボサボサの数の子は、過去の話です。
        
        疑われたって、根には持っていません。
        
             ホントに。


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           「おいしい店★気まぐれ日報」2004.12.13発行

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